漫画読んでました

 最近はハイビ〜さんも漫画を描いていて楽しいです。なんでたまにコマを斜めに切るのか質問され、わたしもよく分からないので色んな漫画を見ました。たぶん動きが出るコマになるからだと思うんですが、それを使う割合は漫画によって全然違くて楽しいです。


小花先生のパートナーを見たのですが、やっぱり少女漫画の世界はコマ割が幻想的なくらい独創的で凄いです。画面の切り替えやモノローグも幻想的だな〜と思います。浸れる〜楽しいです。ところで他人の漫画で泣けるってすごいですよね。内容に浸れるってことだし、演出も良いから見ているこっちの気持ちもブーストするのかなと思います。なんとなく参考用に途中から読んだパートナー、賢ちゃんが命令されて銃を取っていくシーン、語彙力が足りなくてもう、神シーン……ッッッと呻くことしか出来ません。


少女漫画だとコマ割や演出が偏るので、参考に他の漫画も途中からパラパラ見てたんですが、鬼滅の終盤の巻は開いたら最後ですね……最終話まで読んでしまう。引き付け力が高すぎる……知ってるのにハラハラして続きが読みたくなります。改めて読むと愈史郎君が好きすぎてしんどいです。珠世さんと愈史郎君の表紙巻の、カバー裏に殺された民なんですが、何度読んでもあの巻はつらすぎるし、そこからの愈史郎君の動きが良いです。それで最後まで読んじゃった!


鬼滅って1巻1巻が異常なスピードで終わっちゃうの何だろう……それから、さっきまで何にもなかったのに、突然3コマくらいで涙腺刺激する演出が出来るのが凄いです。切なさまでの立ち上がりが短すぎる。急に切なくなるのなに。言葉遣いと表情なのかなあ、ちょっとわたしには思いつかないくらい情に溢れた言葉の数々で、こんなに心が豊かであればもっと幸せに生きていけそうだな、と思わされます。


あとはファイアパンチも途中から読んで、これはもうやっぱり絵が上手くて、画面の切り替わりが映画すぎて、藤本先生の世界観が炸裂って感じで好きです。画面が映画ってやっぱりとてもカッコいいです。映画だから、というか、映画並みに構図がカッコいい、という方が近しいのかも。ドマの村に入るシーンとか、1ページ丸ごと風景なの良いですね……どんな舞台か、わたしもそこにいるようです。2回目にドマの村に行く時の、日が暮れているのか影の移ろいがある描写もたまらなく良いです。カラーで見たいなあ!もっと印象的でカッコいい構図なんだろうな!


ファイアパンチは訳が分からないけどショック……みたいな展開が結構あって、その、説明のないままに与えられるショックって、リアリティどころかリアルすぎるのでしんどいのですが病みつきになります。エンタメなんだから説明してくれ〜〜〜でも好きだ〜〜〜!そういう意味ではチェンソーマンも、ソードマンや蛇女が出てくるあたりであまりの理不尽というか、訳が分からないままにショック受けて混乱する展開が強烈だなと思うんですけど、やっぱり病みつきになるのはなんだろう……たぶん今後も藤本先生の作品には、ああいうリアルなショックを求めてしまう気がします。それはそうと本当に絵が上手くて、思ったより全然スクリーントーンが少なくて、この陰影、手で描いてたのかー!と驚きがたくさんありました。


それでまた最後に全然違うジャンルを見ようと思ってオルフェウスの窓を開いたのですが、天才すぎてトーンやコマ割の研究をすることさえ忘れました。まずスクリーントーン無さすぎるのに、今まで見てきた漫画よりも色彩豊かというか、華やかで、ちょっと意味がわからなかったです……人物の形とか、物の形がセンス良すぎて、それだけで見栄えがあるというか……あと、コマ割についてはもう、どうしてそうなるのか全くわからなくて圧倒的でした。もしかしたら漫画でありつつ、絵本とか絵巻物にも近いのかもしれません。


あとはとにかく「愛」についての解像度や深度が凄まじくて、とても同じ人間には感じられません。どういう高貴なお育ちをしたらそんな愛を知覚して言葉で表すことができる人間になるんでしょう……一度読んだだけでは分からなくて、ポエムのように読み飛ばしてしまう言葉ひとつひとつ、じっくり読むとその崇高さというか、深淵さに圧倒されます。でもまだ分からない言葉が多すぎる……頭で知ってる言葉でも、体験として知らない言葉は分からないもんなんだな〜とつくづく感じました。それにしても、ひとつひとつの偶然が積み重なって生まれる悲劇を作るのが上手すぎます。小さな不運の蓄積が、大きな不運を生む、みたいな……でもそれを不幸にしない力強さがまた、池田理代子先生の漫画の好きなところだなって思います。だけどオルフェウスの窓はヘビーすぎるので、一年に何度も読むのは無理です……また来年……。


漫画読むのって本当楽しいですね〜!神だー!って思う作品から、見るたびひとつでもいいから引き出しをインプット出来たらいいなと思います。