2p漫画「お茶」のはなし
漫画を描きました!週末におなじみ三機さん・あきさん・ハイビさんと遊んで頂いて、また即席ネーム遊びをしました。今回のお題は「お茶」で、何度か遊んでいるので出来れば「2ページ」という条件で遊びました。
私は以前ブログで書いているように、淡々とした感情が薄めのネームを描く癖があるので、今回はなにか感情のある作品が描きたい!と思っていました。最初はいつも通り、淡々としたネームが浮かんだのですが、今回はチャレンジするんだと思って色々と考えました。
それで、お茶の時間、ティータイムといえば一般的にリラックスした穏やかな時間なので、逆にティータイムなのに「敵意や警戒や否定」が潜んでいたら面白いなと思いまして、「穏やかにお茶を注いでくれるのに、本当は身体をのっとる為にお茶を注いでいるおばあちゃん」というネタが浮かびました。穏やかなおばあちゃんというのは、敵意と真逆の存在です。一見、普通の現代物ですが、オチではファンタジーにしたいなという気持ちの癖があるので、おばあちゃんを魔女にしました。
また元々は「お茶で洗脳しようとしている課長」とか考えていたのですが、ちょっと現代に寄りすぎて角が立ちすぎる気がしたので、おばあちゃんに変えました。おばあちゃんが魔女というネタそのものは、王道作品も沢山あるので受け入れやすいと思っています。ちなみに課長が魔女だと、それそのものが「え???」という感じで、お茶に意識が向かないなとも思いました。しかも赤の他人に身体をのっとられるとか謎すぎます。
とはいえ、そもそもティータイムに「敵意や警戒や否定」を混ぜようと思うまでが長かったです。「お茶」というお題に対して、どんな感情を乗せてみたいか考えるのが難しかったです。みんなどうやって考えるんだろう?あんまり自分の感情と遠い感情を乗せるのは筆が乗らないし。思いつく限り色んなネタを出してみて、その共通項が「ティータイムなのに反対の感情」で、それを面白がっている自分に気づけたので、ネームに進むことができました。これ、自分が何を面白がっているかも気づかないと進まないから難しいです。こんなことで躓かない人もいると思いますが…。
あとは、どんな感情を乗せたいかと同時に「読者にどんな感情が湧いてほしいか」ということも意識したので、とても難しかったです。前者すら一度は詰んだのに。今回はティータイムと反対の感情が面白いということで、読者にはその「意外性」で面白がって貰えたらいいなと思いました。あとはそれを作画的には淡々と描く予定だったので、静かにゾッとその意外性を感じてもらえたらいいなと思いました。どうでしょう?その辺は絵的な演出で工夫しています。
1ページ目はできるだけ穏やかにほっこりするように優しく丁寧におばあちゃんを描き、2ページ目は黒色多め、コントラスト高めで描きました。特に「今度はこの身体」のコマでは完全に黒と白の2色で、最もコントラストが高く、今までの作風から見ると異様に見えるように意識してみました。あとは、のっとられていることが分かり易いように、おばあちゃんを垂れ目に、主人公を印象的なつり目で描きました。その他、主人公が印象的になるよう、三つ編みおさげという特徴的な髪型にしました。2ページ目で違う服を着るので、記号的に同一人物だと伝わるといいなという感じです。
今回のネーム的な改善点は、モノローグに頼ってしまったところです。作風としてはアリなのですが、物語性に固執するあまり、ショートショートに挿絵がついている、みたいなノリになってしまいました。もっと絵や会話で表現できたらいいなと思います!会話が少なくなってしまう癖にも気づいているので……次の個人的な課題は「会話」にしたいなと思います。できるかな、でも挑戦してみたいです。
絵的には……記号化を意識しすぎて、主人公いのりちゃんがあんまり可愛くないです。せっかく主人公なんだから、もうちょっと可愛い顔立ちにしたかったなと思いました。初見で好感を持ってほしいです。あと中学生の設定なのに、モノローグが堅すぎたかもしれません。
ところで創作垢で描いている短編漫画はグレースケールとスクリーントーンを半々くらいで使っているのですが、この効果がとても楽しいです。性癖垢だと面倒臭くて、どうしても質感が欲しいところだけスクリーントーンにしているのですが、短編漫画だとページ数が少ないので色々と遊んで効果を見ることが出来ます。また色々と遊びたいです。次はどんなお題にしようかな〜!創作キャラの漫画も描きたいです。でもお題があると、どうしてもお題で物語を作るのに手一杯で、創作キャラを掛け合わせることが難しいです。逆に「創作キャラの紹介漫画」をお題にした方が楽かもしれません。