アイシールド21

 明日から復帰です!楽しみ。それで今日は通院です。面倒くさいです。また好きな漫画の話をします。


最近読み直した漫画のひとつが「アイシールド21」です。これはパシリばっかりやってた、何にも自信のない男子が、走るのだけは速くて(パシリ人生だったため)、それでアメフト部に入る話です。まず絵がすっごく上手くて、高校生の頃は影響受けまくりました。周りの友達も「アイシみたいに描けるようになりたいなー」と言ってました。立体感がすごいです。私なんかアイシを読んで初めて、漫画のキャラも立体なんだなと気付きました。


アイシールド21は頻繁に「天才に敵わない凡人が、それでも努力をして勝とうとする」という展開になるのですが、それがどれも胸熱です。主人公サイドにはめちゃめちゃ頭の良いヒル魔という先輩がいるのですが、ヒル魔が「与えられたカードで戦っていく」というキャラで、それぞれのチームメンバーの唯一の強みを活かしてトリッキーに勝っていくところが面白すぎます。


私は元々、巨深ポセイドンが大好きで、今でもイチオシです。努力のしすぎてキモがられていた水町が、どれだけ努力しても引かれない居場所に出逢えたところが大好きです。良かったね水町……私は中学時代、「勉強するヤツはキモい、バカ」という空気が強くて、勉強してないフリをして市外の高校に行ったりしたので、妙に響くものがあります。のびのびと努力できることって恵まれた環境だなとつくづく感じます。


あとは、蛇足だとも言われがちですが、最後のアメリカ戦が今回はとても刺さりました。敵わないと分かっているのに戦うところが胸熱すぎます。そこで雲水が、凡人だからって戦うことさえしなかったのですが、それを観客席から見ていて悔やむシーンがグサグサきました。辛すぎる。個人的にも、そもそも絶対勝てると分かっている勝負って無いなと感じているので、勝てるか分からないけど勝つために戦うという姿勢は本当に好きです。ビビったり弱音を吐く時があったって、勝つと決めた自分を信じるしかないじゃんね。


そしてエピローグの、卒業文集の一文で思わず泣いてしまいました。何にも自信のないまま高校に入学した男の子が、自分の夢を最後に書いて卒業っていうのが胸熱すぎてもう……最高でした。ありがとう〜〜〜!という感じです。良かったねセナ……世の中、ただ生きていくだけも出来るけど、なにかに燃えることに出逢えたら、それってとても素晴らしくて美しいことだなと思います。それが一生続く炎でなくても、出会って燃え続けている時間そのものがかけがえのないものだなと感じています。火属性っぽいこと書いてしまった。


あとキャラは昔は筧先生激推しで、瀧君も大好きだったんですが、今回読んだら一休が良かったです。一休……プライドが高すぎる、良い〜〜〜〜〜ああいう、自分の前しか見ていないストイック、とても好きです。そうや!周りのことばかり気にしすぎなんや!自分の前だけ見てればいいじゃん!!!という明るい(乱暴な)気持ちになれます。私は元気を無くすとすぐに自罰的になるので、あの明るく乱暴な物の見方は忘れずに大事にしたいです。


それにしてもアイシールド21は泣けるシーンがとても多いです。セナが、アイシールドを外して、自分の本名で試合に出る後ろ姿、それを見送るまもり姉ちゃんの涙、それだけで泣いてしまいます。それってどういう涙なんだろう。悲しみとも喜びとも違うような。いや、広義で言えば半分は成長を喜ぶ涙なのかな。あとの半分はセナを子ども扱いしてきた自分への後悔なのかな。それはまもり姉ちゃんの涙だとして、なんで自分は泣けるのか、本当に謎なんですが泣けるシーンです。そういう、よく分析できないけど泣けるシーンが結構多くて好きです。


なんやかんやアイシだけで、かなりの文量になってしまいました。泣ける漫画ってすごいよね。笑いにしろ怒りにしろ、心が動くだけでもすごいですが……。アイシールド21は30巻以上あるので、なかなか人に勧めづらいのですが、それでもオススメ漫画です。