第1話完成!
今日は通院で暇なので、2記事前にご紹介した、新しい創作の第1話が完成したことを書きます。全23pとなり、去年のコミティアの本のロカの話よりさらに長い漫画が描けました!先週完成し、今は第2話のネーム中です。
第1話は「砂の国の豪也」というタイトルで、炎の国生まれの豪也という主人公が、砂の国でどんな環境で生きているか、という所をクローズアップしました。悪友のような同僚のジェンというおぼっちゃまがいたり、借金があって仕事に打ち込んでいたり、火鬼(ひおに)と呼ばれて差別する人間もいたり……そんな中で、炎の国の皇女を助けるという物語です。色々な人物が出てきますが、まずは豪也を知ってもらえればいいなと思いました。
この物語は氷の国を目指し、外国へと旅立っていく物語です。なので、砂の国を離れた時、豪也がどう変化していくか楽しみにしてもらえると嬉しいです。(いや、1番変化を楽しみにしてほしいのは、砂の国から現状出たくない、おぼっちゃまのジェンかも…)
最初のネームでは、豪也が扉を蹴破って登場したあと、なんの躊躇もなく社長に手を出していたのですが、自分が差別されても我慢した豪也が、理由もなく社長に手を出すか?矛盾してるなぁと冷静に考え、皇女が踏まれた事を怒るシーンを入れました。いま思えば、1番豪也の主人公としての魅力が出るシーンになった気がします。
それから最後の2pも、かなり紆余曲折しまして、いくつも没にしました。結果的に、クライマックスに繋がる引きにしよう!と考え、かなりクライマックス要素を詰め込みました。そしたら唐突に不穏でミステリアスなシーンが出来たので、何度も案を出してみて本当に良かったです。自分の中に湧いてくる「これ、つまんなくね?」という気持ちに正直に向かい合って良かったなと思いました。
書いてみて、私はよく差別をテーマにするねとコメントを頂き、確かにと思いました。まぁ、ファンタジーの醍醐味は色々な人種・種族が数多にいることだと思っていて、異なる価値観の折り合いの付け方を見るのが私の癖なので、折り合いのつかない状態の一端、すなわち差別が出てくるのは必然かなあとも思います。折り合いがつかない人同士もいれば、折り合いがつく人同士もいるよね。でも、折り合いがつかなかった人にも、信頼し合える人々が別にいて、悪人ではないんだよな〜なんてぼんやり考えながら描いています。
思えば祖父が韓国人で、まだ韓流ブームも無い頃に幼少期を過ごしていたこともあり、当時は(田舎だったからか知りませんが)普通に韓国人をうっすら差別する空気がありまして…別に悪意があるって感じじゃなくて、それが普通っていうか…外国人そのものも今みたいに沢山いるわけじゃなかったからかもしれません。それでおのずと、世の中の人はみんな普通〜に他人を差別してるんだな〜と感じていたし、でも、だからといって世の中の人たちが悪人かといえば、別にそういう訳でもないんだよな…人同士は折り合わないことがあって当たり前、それも深く考えてやってる訳じゃない、といった、今の価値観が築かれていたな〜なんて、改めて振り返ってみたりもしました。
子どもの頃から、正義だ悪だ、正しい正しくないといった、勝手に他人に白黒つける物言いが嫌いだったのも、そういった価値観から生まれたのかもなあと、今になると思います。今回の創作においても、豪也は人を殴っては借金を負っており、決して褒められた人間ではありません。でも、子どもを踏む大人は許さないし、仕事にルーズな人間に憤ったりする真面目さも多分にあります。そんな感じの、グレーな人間ならではの面白さが描けたらいいな〜なんて呑気に考えています。
第2話はついに、皇女が喋ります!3人パーティになって、それぞれがどう付き合っていくのか楽しみにして頂けると嬉しいです。神殿課の課長という、次の目的地的な存在について、当初は結構キャラを煮詰めていたのですが……物語の展開上、登場をほぼカットして設定もほぼ没にすることになりました!ヒィ〜なんでこんな悲しいことに…私が先走ってキャラを作ったせいですね…線の細い好青年と世話焼きのおばちゃんという、美味しそうなコンビを考えていたんですが…それはまたいずれどこかで。